内容証明作成

 内容証明とは,正確には「内容証明郵便」といい通常の郵便と異なり,定められた形式に従い作成することで,いつ,誰が,誰に,どのような内容の文書を送付したかを郵便局に証明してもらうためのものです。内容証明郵便には法的な拘束力はありませんが,相手方に大きな心理的プレッシャーを与えることで何らかの対応を引き出すためのものです。裁判前の最後通告や裁判での有力な証拠作りと考えられていますが,それだけではありません。 

クーリングオフ

 クーリングオフとは,特定商取引法や割賦販売法で定められた範囲において,一定期間,説明不要で無条件で申込みの撤回や契約の解除をすることができる制度です。この場合,書面による意思表示が必要です。ここで証明力のある内容証明郵便を活用することにより「クーリングオフしたい」という意思表示と,その日付を証明することができるのです。また発送がクーリングオフ期間内ならば,相手方業者への到着が期限を過ぎていても問題ありません。クーリングオフ期間は,相手方業者から申込み内容や契約内容に関する書面の交付を受けた日から進行します。

 クーリングオフできる主な販売形態とその期間

訪問販売

 特定商取引法において消費者が自分から望んで,相手方業者から呼びかけられることなく販売や契約をする場所に行った場合以外を指しており,自宅に来るタイプのいわゆる訪問販売だけでなく,路上で声をかけ店舗や飲食店等に同行して販売や契約をするキャッチセールスや,電話で呼び出して店舗や飲食店等で販売や契約をするアポイントメントセールスを含むとされています(特定商取引法第2条)。これらは申込み時や契約締結時に,その内容を示す書面の交付が義務付けられており(第4条,第5条),この書面が交付された日から8日以内に,書面により意思表示をすることで申込みの撤回や契約の解除をすることができます(第9条)。また過量販売(通常使う分量を著しく超える量の販売)に関しては相手方業者から書面が交付されてから1年以内ならクーリングオフ可能です。

電話勧誘販売

 業者が消費者に電話をかけるよく知られたタイプに加えて,ハガキ等で消費者から電話をかけさせて販売や契約をするタイプも含まれます(第2条)。またこの電話勧誘販売の場合でも申込み時や契約締結時に書面交付が義務付けられており(第18条,第19条),この書面が交付された日から8日以内に,書面により意思表示をすることで申込みの撤回や契約の解除をすることができます(第24条)。ただし広告等を見たうえで消費者から電話した場合は電話勧誘販売にはあたらず,通信販売となりますので,クーリングオフ対象とはなりませんので注意が必要です。

連鎖販売取引

 いわゆるマルチ商法とよばれ,マルチレベル・マーケティングシステムの略称です。商品の再販売や知人を紹介することに紹介料を支払う等で勧誘する販売方法です。

1. 物品(施設利用・役務提供を含む)の販売(そのあっせんを含む)又は有償で行う役務提供(そのあっせんを含む)の事業であって

2. 再販売,受託販売もしくは販売のあっせんをする者又は同種役務の提供をもしくはそのあっせんをする者を

3. 特定利益を収受し得ることをもって誘引し

4. 特定負担を伴う商品の販売もしくはそのあっせん,または同種役務の提供もしくはそのあっせんに係る取引をする

 以上の4点に当てはまるものをいいます(第33条)。連鎖販売取引には書面交付義務(第37条)の他に広告の表示事項の定め(第35条)や誇大広告の禁止(第36条),不実告知の禁止(第34条)等が厳しく定められており,クーリングオフ期間も20日以内(第40条)となっています。

特定継続的役務提供

 特定継続的役務提供とは,継続的に受け,心身等の向上を目的としているがその効果が確実でないもので,一定期間及び一定金額以上のエステ,語学教室,家庭教師,学習塾,パソコン教室,結婚相手紹介サービスが該当します(第41条,特定商取引法施行令別表第4)。エステのみ1か月超かつ5万円超の支払ですが,他は2か月超かつ5万円超となっています(第11条,施行令第11条,別表4)。書面の交付義務(第42条),誇大広告の禁止(第43条),不実告知の禁止(第44条)等の規定があり,書面が交付された日から8日以内に,書面により意思表示をすることで申込みの撤回や契約の解除をすることができます(第48条)。また既に提供を受けた役務(エステなら施術)の対価を含めて返金を要求できます(第48条)。クーリングオフ期間を経過してしまった後も将来に向かって中途解約できることも定められています(第49条)。

業務提供誘引販売取引

 内職商法やモニター商法のように役務やモニター料といった報酬が入ることを誘い文句に,仕事用商品の販売や講座を受けさせたり,高額な商品をモニター用として販売する方法です

1. 業務提供利益を収受できることにより顧客を誘引し

2. 特定負担を伴う商品の販売もしくはあっせん又は役務の提供もしくはあっせんに係る取引をする

 以上2点に当てはまるものをいいます(第51条)。書面の交付義務(第55条),誇大広告の禁止(第54条),不実告知の禁止(第52条)等の規定があり,書面が交付された日から20日以内に,書面により意思表示をすることで申込みの撤回や契約の解除をすることができます(第48条)。

訪問購入

 購入業者が消費者の自宅等の営業所以外の場所で物品の購入を行うことをいいます(第58条の4)。訪問購入が規制されたのは平成25年2月1日で,いわゆる「押し買い」(自宅に押し掛け強引に貴金属等を安価で買い取る行為)の被害が増加したのに対応した法改正です。不招請勧誘の禁止(第58条の6),書面の交付義務(第58条の7),消費者がクーリングオフ期間中の引き渡しを拒絶できる旨の告知義務(第58条の9),不実告知の禁止(第58条の12)等の規定があり,購入業者から書面を交付された日から8日以内に,書面により意思表示をすることで申込みの撤回や契約の解除をすることができます(第58条の14)。

 

 クーリングオフは期間が定められており,時間との勝負という側面があります。これらのような販売の被害にあわれた場合には,まずはお電話(0532-35-9222)またはお問い合わせフォームからご相談ください。行政書士水野法務事務所では,みなさまに安心していただくため,誠心誠意ご支援させていただきます。

 

敷金返還請求

 賃貸住居を退去する際によくいわれる「原状回復」,これはどういったものでしょうか。事業用賃貸者契約を除き,自然損耗つまり通常に住居を使用することにより発生した損耗は借主が負担する必要はないのです。国土交通省の定めるガイドラインで,原状回復は「賃借人の居住,使用により発生した建物価値の減少のうち,賃借人の故意・過失,善管注意義務違反,その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧すること」となっており,経年変化や通常損耗は借主負担とはならない旨が定められているのです。

 行政書士水野法務事務所では,これらの負担を強いるような貸主の敷金返還拒否に対しては内容証明郵便を活用して反論し,返還を求めることをご支援いたします。

まずはお電話(0532-35-9222)またはお問い合わせフォームからご相談ください。

※すべての場合で,内容証明の送付によってご希望の結果が得られるとは限りません。他の法律職への引き継ぎが必要となる場合には,そちらもご支援いたします。

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